筋肉骨子こと、こっこ(@kinnikukokko)と申します。
さて本日はショックについて深めていきたいと思います。
ショックとは
ショック⇒全身の主要臓器で血液循環が不十分になり臓器の正常な機能が維持できなくなる状態
症状は、それきみこ
ショックの症状
そ 蒼白
れ 冷汗
き 虚脱
み 脈拍不触知
こ 呼吸不全
ショックには種類あるのでみていきましょう。
まずショックには四肢が冷たい「コールドショック」、四肢が温かい「ウォームショック」に分けられます。
コールドショック(心拍出量の低下)⇒実質的な循環血液量不足
ウォームショック(毛細血管拡張、末梢血管抵抗低下)⇒相対的に循環血液量が不足
まずはコールドショックにあてはまる「出血性ショック」「心原性ショック」を見ていきましょう。
出血性ショック
・原因⇒出血、熱傷、脱水などにより循環血液量の1/3~1/4が急激に失われることで起こる
・治療⇒循環血液量を復元させるため出血に対し止血と出血量に相当する輸液、輸血とをおこないます。
細胞外液の補充に適した輸液として、水分やナトリウムイオンが主体の重炭酸リンゲル液、生理食塩液が第一選択となります。
血圧 | ↓ |
---|---|
心拍数 | ↑ |
心拍出量 | ↓ |
中心静脈圧 | ↓ |
末梢血管抵抗 | ↑ |
心原性ショック
心臓のポンプ機能不全によるショックのことです。
原因⇒心筋梗塞、心筋炎による急激な左室の心拍出量が低下拍出量の減少。急性心タンポナーデや肺塞栓症などによる左室の充満不全。
治療⇒循環血液量の不足があれば輸液をおこないます。又、心収縮力増加の目的でカテコールアミン(ドパミン、ドブタミン)を投与します。
そのほか利尿薬、血管拡張薬を投与することもあります。
低血圧が遷延する場合は循環補助装置(大動脈内バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置)を用いります。
血圧 | ↓ |
---|---|
心拍数 | ↑※房室ブロックに伴う心原性ショックでは↓ |
心拍出量 | ↓ |
中心静脈圧 | ↑※左心不全により拡張終期圧が上昇し、肺静脈圧が上昇するため |
末梢血管抵抗 | ↑ |
つぎにウォームショックにあてはまる「敗血症性ショック」「アナフィラキシーショック」「神経原性ショック」を見ていきましょう。
敗血症ショック
感染が原因で全身性の炎症反応が生じた状態を敗血症といいます。
さらに循環不全を伴ったショック状態を敗血症性ショックといいます。
原因⇒細菌感染に基づくショック。高齢者やアルコール中毒、肝硬変、悪性腫瘍、糖尿病など免疫機能の低下した患者にみられる
感染症のため38℃以上の発熱がみられる患者が収縮期血圧90mmHg以下の血圧低下を起こした場合、敗血症性ショックを疑います。
初期は細菌の細胞膜から遊離される細菌毒素のエンドトキシンにより末梢血管は拡張するため、心拍出血量は正常あるいは増加し、当初は皮膚の色も良好であたたかいです。
ただショックが進行すると、心拍出量が減少し末梢血管の収縮を起こしコールドショックへ移行します。コールドショックに移行すると多臓器障害(DIC)を併発しやすく致死率が高くなります。さらにエンドトキシンは発熱及び脳循環障害が引き起こすため意識障害が起こりやすくなります。
治療⇒感染源の除去。尿路、気道、中心静脈などに挿入されているカテーテルが原因の場合抜去、交換。
抗菌薬、免疫グロブリン製剤を投与。リンゲル液などの輸液、低血圧に対してはノルアドレナリン。
血圧 | ↓ |
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心拍数 | ↑ |
心拍出量 | ↑ |
中心静脈圧 | →or↓ |
末梢血管抵抗 | ↓ |
アナフィラキシーショック
おもにIgE抗体によるⅠ型アレルギー反応が生じた結果、血管透過性亢進などの作用を持つヒスタミンが遊離し呼吸困難をはじめとするショック症状がみられる病態。
原因⇒抗菌薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、造影剤、抗がん剤、輸血、ハチ、そば
咽頭・喉頭浮腫による気道閉塞、腸管浮腫による腹痛や下痢、意識症状が出現します。ちなみに死因は大きく分けてショックと気道閉塞による窒息になります。
治療はアドレナリンの筋肉内注射と急速輸液です。気管支収縮や咽頭浮腫があれば酸素吸入を行い必要であれば直ちに気管挿管による気道確保をします。
血圧 | ↓ |
---|---|
心拍数 | ↑ |
心拍出量 | → |
中心静脈圧 | ↓ |
末梢血管抵抗 | ↓ |
神経原性ショック
脊髄損傷や麻酔時などにみられます。交感神経遮断と迷走神経亢進のため末梢血管の著しい拡張により血圧が急激に低下します。徐脈を呈することが多いです。
血圧 | ↓ |
---|---|
心拍数 | ↓ |
心拍出量 | →or↑ |
中心静脈圧 | ↓ |
末梢血管抵抗 | ↓ |